kanechi『ぬえ』
レトロカメラで撮ったような色使い、服や髪などの黒と暗い赤のコントラストがとても上品で美しいです。 また、独創的な構図だと思います。槍に乗っかるそれも中腰で。しかも浮いてます。そのおかげで余裕を漂わせながら宙に浮く大物感がします。かっこいいです。
☆考察
イラストを分析するために単純化してみましょう。
1.配色
厚塗りで描かれたイラストだな、うん、たぶん。左上から光がさしているように感じますが、太ももや顔を見る限り必ずしも一方向を意識したわけではなく、空間全体がぼんやりと明るいようです。左上がオレンジで右下が青なので補色を使ってますね。また、服などがやや緑色っぽいのでコレも靴やリボンの赤を引き立てるための補色のために配色したと思います。はぁ~良く計算してますね(驚き)。
2.視点
ぱっと見たとき顔と胸の赤いリボンに目がいき、そしてそのまま左下へと視点が誘導されました。赤い靴が個人的に大好き。
3.構図
奥行きは右下→中央→右上という順になると思います。でも人物よりも奥側の物体の表現が少ないので、そこまで空間的な奥行きは感じません。左上は見せるためだけのスペースになっていると思います。そこに印象的な鎌を配置しています、かっこいいぞ。ためしに左上の鎌のところを手で隠してイラスト見てください。残った部分だけで十分絵としては完成されてると思います。逆に右下の鎌を隠してみてください、なんとなく躍動感みたいな迫ってくる感じが弱くなったと思います。この右下の鎌は空間的表現の要となってるようです。
4.構図推察
最初からこの「独創的な構図で描こう」と思ったわけではないと思います。最初は体育座りをした“ぬえ”を描こうとしたのでは?体育座りをした“ぬえ”に槍を持たせようとした時、槍に足をかけて宙に浮かそうとひらめいたのではないでしょうかね?なんにせよ、羨ましい発想力です。私なら槍を担ぐように持たせて地面に座らせちゃいますぜ。「最初からそういうつもり」なら、すいません私が未熟でした、です。
5.足について
私がこの作品を見たとき気になったのは足です。曲がっているように見える表現、筋肉質な足を描く人に多いと思います。というか筋肉を含めた足の凹凸・立体感を出すための表現なのでは?と思ってます。筋肉質な足は下の模写した線画のようになります。
ちなみに私が足をフツーに描いた場合、右のようになります。
私の描き方のせいもあるかもしれませんが、左の原画に比べておとなしくなってしまった気がします。
最後に
「このイラストと同じように描くにはどうすればいいのか?」という一番気になるところが分かりません!(涙)そりゃあ、すぐにわかれば苦労しないよね。そこらへんを今後も勉強していきたいと思います。 こういうイラストが描けたら楽しいだろうなぁ~